東村山
時間があれば見てみたいが、なにしろ上映期間が短いので見ることはたぶん無理である。
なぜ見たいかというと、興味本位である。
東村山が舞台なので、あ、あそこだ!という映像がたくさんあるらしい。
東村山を知らないとどうってことない映像かもしれないが。
そうえば5月に久しぶりに映画館に行ったとき、映画の良さのひとつは音に包み込まれることなんだなと改めて思った。
包まれると言えば、夕方から雨音に包まれて久しぶりに落ち着いている〈いま〉である。
UNE FEMME DOUCE(やさしい女)
《UNE FEMME DOUCE(やさしい女)》の上映の最終日である。
この映画は映画館でしか見られない映画なので忙しくても暇でも行く映画なのである。
このチラシは30年ほどまえのもので、家人から借りて撮影。
16歳のドミニク・サンダのデビュー作である。
監督のブレッソンはカラーのあいまいさを嫌ってモノクロームでしか撮らなかった監督であるが、初のカラー撮影をこのとき行う。
ドミニク・サンダの美しさがそうさせた、そうである。
久しぶりに映画らしい映画を見た。
まさにフランス映画である。
2月に巴里に行ったとき入ったGrande Galerie de l'Evolution の改装まえの映像が見られたり、Je ne sais pas.やpourquoiなどのフランス語のいくつかが聞き取れたりとそんな小さなことも楽しさをふくらませてくれた。
それにしてもドミニク・サンダの笑った顔を見た記憶がない。
この映画でも最後の方でちょっとだけ笑顔になる(なりそうな)シーンがあるくらい。
ファッションモデル出身だからしょうがないのかもしれない。
暗闇のなかへ
夕方から久しぶりに家人と映画を見に行く。
見に行った映画は『野のなななのか』(監督:大林宣彦)である。
大泉学泉で映画を見るのははじめてで、映画館は駅前にあると思い込んでいたがひと歩きの距離であった。
午後6時からの上映は我々と他の観客をあわせても6人。
しかし見終わったあとパンフレットを買おうとすると完売で増刷待ちとのこと。
久しぶりの大林監督の映画で、それなりに期待していった。
テーマは「人は誰かの代わりに生き、誰かの代わりに死んでゆく」
まず残念な点から。
以前の大林さんは特殊撮影(?)のときでもその画像を嵌め込みましたよ、という具合に扱っていてそれが個人的にはとてもセンスが良かったとおもうのだが、今回は嵌め込みがわかりにくくなるようになっていてそれがかえってウソっぽく見えてしまう。
これは現在の撮影機材の悪い機能の高さなのかもしれない。
戦争の怖さ、原発に対する反対のメッセージが終わりごろになって急に鮮明になる。
このようなメッセージを作品に盛り込むことが作品の質を高めることになるのかどうなのかは個人的には疑問である。
が、大林さんの気持ちはよくわかる。
柴山智加が出演していた!
家人は途中で気づいたようだが、まったくわからなかった。
残念!
二児の母になっているようである。
時間は確実に流れている。
ああ。
3時間という上映時間。
厭きるということはなかったが、ニ、三のエピソードはなくてもよかったかもしれない。
でも、久しぶりの大林さんの映画。
見に行ってよかったとおもっている。
か ぜ た ち ぬ
『風立ちぬ』を見に行く。
家人も僕もどちらも50以上なので1000円である!
宮崎作品を映画館で見るのは初めて。
もっともテレビで『もののけ姫』を見て以来宮崎作品は見る気が失せていたのだが、今回はひょんなことから見に行くことになった。
たくさんの人の感想とはズレているが、以下の感想は僕個人の正直な感想である。
主人公の堀越二郎と菜穂子の声には最後まで馴染めなかった。
映像の細かいところが粗く(背景の描写)、それが気になった。
結核の菜穂子の顔が健康的過ぎる。
手紙を残して去っていく菜穂子の足の太さがバランス上細すぎやしないだろうか。
「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」というサブタイトルがあるが、どちらの話の展開も中途半端なところで終わっている。
世間では喫煙の場面に対する反対意見があったが、それに賛成する気は全然ないが、画面のなかの喫煙シーンには無くてもいいものがいくつかあった。
戦争に賛成の映画でも反対の映画でもない。というかたまたま時代がそうだったという映画であると感じた。
ならば、美しい飛行機をつくりたいという堀越二郎の思い、それを実現していく過程をもう少し映像に盛り込めなかったのか。
ちょうど宮崎駿の監督引退宣言がテレビのニュースなどで流れているが、これはたまたまのタイミングである。
最後のマイ・ウェイ
個人的には「マイ・ウェイ」という歌には思い入れはない。
フランク・シナトラが歌っていた。
それくらいしか知らなかった。
それがクロード・フランソワというフランス人がつくった歌であり、持ち歌にしていたところ、シナトラがそれを借りて「マイ・ウェイ」として流行らせた。
ということをしばらくまえに知ったので、「お、フランス」の僕は是非この映画だけは見ておこうとおもっていたのである。
映画は重い芸術映画ではなく、かといって甘い音楽映画でもない。
うまくは言えないが、楽しませてくれた映画である。
ここをもうすこし突っ込んでほしいなぁという希望はあるにはあったが……。
それはそれとして映画館はすいていた。
そのなかで僕と家人がおそらく最年少。
ひぇ〜〜〜〜!
『伊莎貝拉(イザベラ)』
「1999年、中国返還を目前にしたマカオで、警察の組織ぐるみの汚職を一身に押し付けられ停職中のセン。裁判に怯え自堕落に暮らす彼が一夜を共にした少女ヤンは、初恋の女性が彼と別れた後に産んだ娘だった」
と、ある意味ショッキングな始まりではあるが、陰惨で暗い映画ではない。
母親の死後、家賃滞納で部屋を追い出され、センのもとになかば転がり込んだかたちのヤン。
二人の奇妙な(?)共同生活がはじまると、ポルトガルギターとファドの調べが二人の内面を甘く切なく写し取っていく。
終わりにヤンの見せた涙はあたたかくやわらかい。
監督:パン・ホーチョン
キャスト:セン/チャップマン・トー ヤン/イザベラ・リョン
その他、カメオ出演のアンソニー・ウォンが麺を食べるシーンが個人的には特に気に入っている。
ものすごく旨そうなのだ!
『砂の器』の棘
もちろん昔の映画の方で、画面に映し出されるおもだった俳優のほとんどはすでにあちらへ旅立たれている。
最近では緒形拳がそのひとりである。
設定に若干無理がないわけではないが(原作は読んでいないので分からないが)、引き込まれる映画である。
前半はほとんど忘れていたが、後半ははっきりと憶えていた。
父と子で村々を遍歴する姿とその映像にオーバーラップして流れる「宿命」はいま見ても(聴いても)痛い。
そしてこの痛さこそが形を変え昭和という時代の表にそして裏に流れていたものであり、記憶をさぐると確かに僕のなかにも流れ込んでいるのである。
少し前に『三丁目の〜』という映画が話題になったが、そこには僕の知っている昭和はひとかけらもなかった。
昭和は『砂の器』のなかにこそあると感じた。
そして観ていて感じたのだが、どの俳優たちもみな不器用なのである。
そんな俳優たちからは多かれ少なかれ体臭が感じられるのである。
これが昭和である。
器用さからは決して生まれないものがそこにはあった。
それこそが生きる力である、と僕はおもった。
トニー滝谷
と記憶をたどってみると四半世紀経っていた。
僕には必要なかったから。
それなのになんの偶然かいたずらか、村上春樹原作の『トニー滝谷』を観ることになった。
全篇モノクロ映画、ではないのに、いまそれぞれの場面を思い出そうとするとすべてモノクロで僕の頭のなかでは再生される。
どの場面にもかすかな風が吹いているような印象があり、科白もちょうどそんな風に聞こえた。
映像もとても端正で美しい。
聞くところによると映画には原作にない場面がひとつある。
最後のまとめ方であるが、映像(映画)と文字(小説)の表わし方の違いとみることもでき、興味深い。
久しぶりに読んでみようかとおもっている。
まったり
これでは「しょこたん」である(笑)。
とまあ、たまにはこんなペースも悪くない!?
さてさて年末であるが、日頃からきれいにしているので大掃除をするまでもない。
という作り話を自分に信じ込ませ比較的ゆっくり年の瀬を過ごしている。
それでもいろいろあるので手伝いを頼もうかとおもっていたのだが、気配を察したか、若手は新潟に電車を撮りに行ったらしく目覚めたときには姿をくらましていた。
と書いているいま帰ってきた。
後ろで興奮気味に何か声をあげている。
そんなこんなで(?)昨日は『フライトプラン』を観、今日は『インファナル・アフェア』の3シリーズのうちのひとつを観た。
これからそのうちのもうひとつを観る。
まったりと年末である。
007
定番のパターンに変わりないものの、ショーン・コネリーやロジャー・ムーアのときに比べ人間関係が複雑になっている。
それとやはりというべきか少なからずCG処理が行なわれている。
一見すると迫力の画面だが、手に汗握る、という感覚はない。
生々しさもない。
ザラッとせずにどこまでもツルツルすべっていってしまう。
なんだかなー。
007、ちなみにドイツ語読みするとヌルヌルジーベン。
ひぇ〜。
画像はカラフルな冊子。
化粧断ちのお手伝い。
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