西への旅 その3 蕎麦や漱石
早朝パリを発って、
もういいって? はい。
京都を発って九州の「蕎麦や漱石」に向かいます。
朝早いのと、博多に向かうにつれトンネルが多くなり、うつらうつら。
博多からリレーつばめで熊本に向かいます。
熊本からは豊肥線。
立野でさらに南阿蘇鉄道に乗り換え、やっと阿蘇は長陽の駅です。
「漱石」を目指します。
歩きます。
さらに歩きます。
もうすぐです。
本当にもうすぐです(笑)。
蕎麦屋らしからぬ普通の建物。
3年ぶりの漱石。
奥様が笑顔でお店のまえで出迎えてくれました。
積もる話もそこそこに早速注文します。
以前のように2枚注文します。
まずは朝碾(あさびき)から。
生きててよかった、と心からおもいます。
下の画像は色がうまく再現されていません。
更科とはまったく違います。
実際はほんのりとした緑色です。
続いて、玄舞(くろまい)。
辛み大根と塩、どちらも合います。
旨いだけで九州までわざわざ蕎麦を食べに行くほど酔狂ではありませんし、またそんな経済的時間的余裕もありません。
でもそれを押してまで向かわせるものが「漱石」の蕎麦にはあります。
とにかく凄い蕎麦です!
しかし自然のものです。
特に今年の異常気象には泣かされたようです。
でもそれを差し引いても、というより、そんな自然をもまるごといただいているという、とても謙虚になれる蕎麦です。
売り切れ仕舞い、行かれる方は連絡のうえのほうがいいかとおもいます。
「漱石」のHPはここです。
さて蕎麦のあとは温泉に出かけます。
漱石のご夫婦とわれわれ二人と積もる話で夜は更けていきました。
西への旅 拾遺 その1
今回京都で泊まった宿は素泊まり4000円なのであるが、パンが付く。
パンが付くから素泊まりじゃないような気もするが、素泊まりなのである。
部屋を出たところから廊下を撮影。
学生のときの下宿を思い出します(こんな立派ではなかったけれど)。
何か飛び出しています。
近づいてみると、冷蔵庫でした。
開けてみましょう♪
パンや飲み物は自由に食べていいとのこと。
オーブントースターやレンジもあるので便利です。
外国からの観光客が多いのでこういうシステム(?)になったとのこと。
各室バス・トイレ付きですが、お湯が出るまで10分くらいかかりました。
細かいことを気にしなければ下手なビジネスホテルよりも快適です。
西への旅 拾遺 その2
阿蘇二日目の朝、快晴!
寒くも暑くもなくちょうどよい。
蕎麦の時間まであたりを散策する。
こういうとき自転車があれば活動範囲が広がるのだが、歩くのもそれなりに楽しい。
単線の鉄道が呼んでいる!
そんな気になる。
南阿蘇は水の生まれる里であり、このあたりは水源がたくさんある。
地図を片手にいくつか回ってみた。
その中のひとつ、塩井社水源。
水が湧いているのだが画像ではほとんどわからない\(^o^)/
その水源の傍らには塩井神社がある。
その神社と水源を守るように見事な公孫樹が立っていて、とても敬虔な気持ちになれるところである。
流行りのことばで言えば「パワースポット」。
風が吹くと公孫樹の葉が「わー」と落ちてきて……。
動画も撮ったのだが現在このブログでは動画投稿ができないのが残念。
塩井神社境内。
この画像の右奥で水が湧いている。
手前の円形は土俵。
10月の秋祭りのときに毎年奉納相撲が行われる。
地域の子供たちがたのしみにしているらしいが、今年はものすごい雨で一組の取り組みしかできなかった、という話を神社の掃除をしていた地元の人にうかがった。
はっけよい、残った、残った!
いつかの秋、ここで拍手をしながら相撲を見てみたい。
そう思いながら塩井社水源をあとにした。
徹夜
「西への旅」をアップしている間にもおもしろい仕事の相談がある。
具体化するにはニ、三年はかかるとおもうが、その過程をたのしみたい。
これはその人が置いていかれたカバン。
なにやら怪しい匂いが(笑)。
そのうち開けて、ミッションに取りかかります。
*****
昨夜から明け方にかけてなんともまあ激しい雨!
雨の音を聞きながら久しぶりに徹夜で仕事。
都内に出る用事があったので電車のなかで眠ればいいやとおもったけれど、神経が活性化しているせいかまったく眠れない。
今頃になって猛烈な睡魔がおそってきた。
*****
帰宅してしばらくしたらKさんから電話。
そういえば12月中に原稿読んで整理しておきますって約束したな。
やっば〜!
*****
『「書物の旅」挿絵集』、戸田さんとの間で遣り取りしながら進めております。
12日の戸田さんの個展までには見本くらいはつくっておきたいとおもっていますが、あー、ギリギリかな、どうかな。
70部限定です。
その内、特装版は20部で、中綴じ、布装ハードカバー突き付け、同布小口縁取りスリップケース入り、肉筆カット2点。
特に今回はいまのところ案内書はつくっていませんが、すでに何人かの方からは注文をいただいているのでご希望の方はお早めにお願いします。
青春プレイバック
富山直子さんが『マンモスの窓』で福田正夫賞を受賞され、その授賞式に出るために国学院大学の院友会館に行く。
ご両親とお姉さまもいらっしゃっていて、しばし談笑。
改めておめでとうございます。
マイペースでがんばりましょう!
*****
ところで以前にも書いたけれど、国学院といえば、学生時代の下宿のすぐそばである。
JRの恵比寿駅には当時の面影はまるでないけれど、下宿に近づくにつれ、いくつか思い出される道のまがり。
数年前にその下宿がまだあることは確認しているけれど、はたしてまだありました。
この角部屋でいっしょうけんめい勉学に励んでおりました。
ハハハ……。
当時はすぐとなりに別の建物があり、夏にはその別の建物の室外機の熱風が吹き込んできて、「あ〜れ〜」とおもったものです。
あれから四半世紀以上が経ちました。
振り返るとおそろしいです。
前を見るともっとおそろしいです(笑)。
だからいま見える範囲のことくらいはしっかりやろうとおもいます。
*****
いろいろとお問い合わせのメールをいただいています。
今日まだやらなければならないことがありますので、明日連絡いたします。
すみません。
戸田勝久画/文――『書物の旅』挿絵集のお知らせ
改めて『「書物の旅」挿絵集』(画/文=戸田勝久)のお知らせです。
『書物の旅』の革装特別装丁本には著者自筆のそれぞれに異なった肉筆水彩画を口絵に附してあります。
今回それを挿絵集にまとめてみました。
『書物の旅』を刊行した折、革装本を予約してくださった方には好みの絵を選んでいただくため案内書として挿絵集をお渡ししましたが、今回はその挿絵集には収めなかった挿絵を一点追加してあります(上の画像ではありません)。
それぞれの絵には題名が付けられ、新たなエッセイも添えられました。
普及本50部、特装本20部の限定出版となります。
本文用紙は普及本特装本ともに『書物の旅』と同じくアルシュ耳付き。
普及本――
中綴じ(糸かがり)
表紙=ハーネミューレ
表紙には著者自筆タイトルおよび肉筆カットが入ります
定価2000円(税込)
特装本――
糸かがり中綴じ布装両袖装ハードカバー突き付け製本
布はスウェーデン産リネン
同布による小口縁取りのスリップケース入り
エッセイの終わりに肉筆カットが入ります
普及本の表紙をそのまま綴じ込みますので肉筆カットは2点となります
定価15000円(税込)
どちらも送料別途となります。
ご注文お待ちしております。
クリスマスまでには仕上げる予定です。
追記
先に価格も聞かず予約された方、取り消すならいまですよ(笑)。
革装本へ
以前書いた原口統三関連の書物の革装本への改装である。
解体からはじめるのは久しぶりだ。
丸み出しまえの、ある意味普通の人には見る機会のない状態で依頼された書物。
糸でかがられ、背固めされ、見返しが付いている。
通常の製本ではこの後、三方を断ち、丸みを出し、表紙をくるむという作業になるが、綴じ付け&突き付け製本をする場合は構造が異なるので、一旦解体する必要がある。
三方断ちまえの本なので本文の右上にトンボがある。
まず見返しをはずし、
できるだけ本文を傷めないように掃除をする。
必要なら補修。
つづいて糸を切って解体。
背固めの膠もそれほどきつくなかったのと、くるみまえの状態の本だったのでほとんど背を傷めることなく解体終了。
保護の折丁と捨て紙を用意し、
このあと、ひと折ずつ指定寸法に断裁。
下の画像は断裁の終わった状態。
このあと挿絵集が終わったあと綴じていくことになる。
あれっ、これ!?
あれっ、これ、どうやってやったかな以前。
あまりやらないやり方なもんで、というより二度目。
しかも定番じゃないので思い出しながら。
一巡するまでがかかります。
『「書物の旅」挿絵集』特装本、残り5冊となりました。
迷っているあなた、さあ、急いで急いで(笑)。
戸田勝久展―「書物の星座」
12日(日)から19日(日)まで品川の啓祐堂ギャラリーで戸田さんの個展が始まります。
個人的にはこれがないと12月が来た気がしないというくらい恒例の展覧会です。
『「書物の旅」挿絵集』、見本くらいは会場の隅にあるとおもいます、たぶん……おそらく……ああ、神さま!
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- 西への旅 その3 蕎麦や漱石 (12/01)
- 西への旅 拾遺 その1 (12/01)
- 西への旅 拾遺 その2 (12/03)
- 徹夜 (12/03)
- 青春プレイバック (12/05)
- 戸田勝久画/文――『書物の旅』挿絵集のお知らせ (12/05)
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- あれっ、これ!? (12/09)
- 戸田勝久展―「書物の星座」 (12/09)
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